約10年間私が実践し、資産拡大に成功した株式投資の内容を説明しています。今回は、第1話の続きから。
まだの方はこちらからお読みください。
株式投資の初心者向実践例 手数料と税金
長期投資を前提とする場合に、投資の成果には手数料や税金が大きく影響してきますので、その関係を少し説明しておきます。
手数料など
長期投資は手数料が高いと資産が目減りしがちです。
例えば毎年投資額の3%が手数料だと、3年で単純計算だと9%投資金額が目減りし、10年たつと30%減っていることに。
逆に言うと、年平均で3%以上プラスにならないと、利益が出ないことになります。
さらには、買い付け時にも手数料(イニシャルコスト)がかかるものも多い。
例えば買い付け時の手数料が5%だと、10万円投資に回したのに、9万5千円で運用スタートになります。5%を取り戻すのに時間が必要に。
そのため手数料は安いものを選ぶことがポイントです。
特に、他の投資商品と比較して相対的に高いイニシャルコスト(購入時の手数料(コスト))のものや、同じく高いランニングコスト(毎年の手数料(コスト))が発生する投資商品は避けるのが無難です。
(もちろん資産形成が進めば、そういった商品を買う場合も多々あります。)
下記記事では、イニシャルコストとランニングコストがどう影響するのかを実際にシミュレーションしています。
配当金や分配金
同じ理由で、配当金や分配金(いずれも定期預金の利息のようなもの)はなるべくないものを選ぶことが重要です。
この投資の目的は将来の資産構築であるとすると、目先のお金でなく、老後をイメージした20年とか30年後でよい訳です。
配当金や分配金は、その際にまとめて受け取っても良い。つまり敢えて毎月の配当金等をもらう必要はない。
配当金・分配金をなぜ避けたがるのか
配当金等をもらう度に約20%を税金で払うことになります。配当無しなら例えば20年後にまとめて利益の20%を払えばいいことになる。
ということは、その20年間は税金がかからないので、実質的にはその20%相当分は再投資して複利で回っているのと同じ効果があるからです。
・配当金等を頻繁に貰うと20%税金を収め、再投資できるのは80%だけです。この差は非常に大きいです。
資産拡大のスピード重視するために、資産の目減りはなるべく避けるということです。
投資資産の目減りを防ぐために、手数料と税金を意識する
1 イニシャルコストの安い投資商品を選ぶ
2 ランニングコストの安い投資商品を選ぶ
3 分配金や配当金はなるべくないものを選ぶ
下記記事では具体的に分配金有(源泉徴収有)と無(売却時に譲渡所得を納税)の場合で、10年後の投資結果を計算しています。
株式投資の初心者向実践例 株式と債券の関係
分散投資のところで、株式(日本3と海外2)と債券(海外2と日本1)の資産配分が5:3になるように買うのが一般的と説明しました。
なぜそうするのかを株式と債券の価格と利回りの点から説明しておきます。
1 株式が上昇相場に入ると、株式に投資する方が債券で配当金をもらうより儲かると考え、債券を売って株式に資金を移動させる。その結果、債券は売られ価格は下がり、分配金は定額で変わらないので、金利は上昇していく
株式⤴ ⇒ 債券価格⤵ 債券利回り⤴
2 債券利回りが上昇すると、債券は株式よりリスクが少ないので、株式より低いリスクで高い利回りを得られるならばと考え、株式を売って債券を買う人が多くなる。
債権利回り⤴ ⇒ 株式⤵ 債券価格⤴
3 株式は下落し、債券価格は上がる、金利は下がる。金利が低いと債券に魅力がなくなり債券を売り株式に向かう。そして循環する。
債券利回り⤵ 株式⤵ ⇒ 債券価格⤵ 株式⤴
投資家目線、企業目線など様々な視点がありますが、基本的同様の循環が起こります。
アセットアロケーションで株式と債券を組み合わせて投資する意味がここにあります。同じ投資対象だけを投資するとリスクが高いため、分散して投資するわけです。
その際、値動きの異なるものを組み合わせることがポイントです。株式と債券はまさにその関係にあります。
株式と債券は値動きが逆。分散投資には値動きが異なるもの組み合わせる。
・株式上昇、債券価格下落&利回り上昇
・株式下落、債券価格上昇&利回り低下
債券の購入に際して参考となる記事です。
株式投資の初心者向実践例 外国への分散投資
分散投資のところで、外国株式や外国債券にも投資することを説明しました。その理由のエッセンスを説明しておきます。
日本だけでなく、アメリカや欧州など先進諸国も含めて分散投資する。
国や地域ごとの経済の状況などが異なるので、日本だけでなく先進国に投資しておくと、世界中にリスクを分散できることになります。
例えば、日本は90年頃いわゆるバブルが弾け株価低迷が長期に渡りましたが、アメリカは2000年に向けてITバブルを形成します。
当時日本株のみを買っていた方は大きな損失を出し、海外株式・債券・日本債券を買っていた方はリスク分散に成功していたはずです。
ちなみに2000年アメリカはITバブルがはじけて株式相場は急落しましたが、同じく他の地域の株式や債券を買っていた方は一定のリスク分散ができ、ダメージは少なかったはずです。
アセットアロケーションで海外の株式と海外債券を含める意味はここにあります。
日本と値動きが異なる外国への分散投資でリスク分散と、リターンを期待できる。
・日本だけでなく先進国の株式と債券に投資することで、世界中にリスクを分散できることになる。
・逆に言えば、日本で利益があがらなくても、海外で利益があがれば、資産全体でプラスを狙える。世界中の利益を享受することができる。
株式投資の初心者向実践例 第2話 まとめ
今回は、手数料と税金、株式と債券の関係、外国への分散投資について、基礎知識のエッセンスを説明しました。
ポイントを記載しておきます。
投資資産の目減りを防ぐために、手数料と税金を意識する。
1 イニシャルコストの安い投資商品を選ぶ
2 ランニングコストの安い投資商品を選ぶ
3 分配金や配当金はなるべくないものを選ぶ。
株式と債券は値動きが逆。分散投資には値動きが異なるもの組み合わせる。
・株式上昇、債券価格下落&利回り上昇
・株式下落、債券価格上昇&利回り低下
日本と値動きが異なる外国への分散投資でリスク分散と、リターンを期待できる。
・日本だけでなく先進国の株式と債券に投資することで、世界中にリスクを分散できることになる。
・逆に言えば、日本で利益があがらなくても、海外で利益があがれば、資産全体でプラスを狙える。世界中の利益を享受することができる。
次回第3話から、具体的な投資商品候補を説明していきます。