債券投資の基礎知識 はじめに
債券について概要を説明します。
債券の値動きや利子(以下、配当金)の特徴などを説明していきます。
放置する副業では、株式と債券は異なる値動きをすることから、分散投資の1つに組み入れて、リスク分散を図ります。
なぜ債券が株式と異なる値動きをするのかの基礎知識を頭の片隅に入れておいていだければと思います。
債券投資の基礎知識 債券とは
債券を発行するのは、国、自治体や企業などです。発行元は、配当金をつけて債券を発行することで、投資家からお金を募り、満期がきたら元金を返金します。
投資家から見ると、
・定期預金に近い:発行元にお金を預けます。預けている間配当金を受け取る。満期に元金を受け取ります。
・満期前の売却が可能:途中で売却することも可能です。その際は市場で取引されている価格(時価額)となります。
この点は少し定期預金と違います。つまり額面以上で売れることもあれば、元本割れすることもあるということです。
但し、満期まで持てば前述のように元本は帰ってきます。
債券投資の基礎知識 債券の種類
債券の種類にはいろいろとありますが、代表的なものをご紹介します。
債券投資の基礎知識 国内債券
私が買ったことがあるものの一部から紹介。
・国債:国の発行する債券。国債にも5年物、10年物、物価連動債など様々(地方自治体が発行する地方債もあります)
・社債:国内企業が発行する債券。
債券投資の基礎知識 外国債券
・外国国債:先進国・新興国:海外の国が発行する債券。外貨で購入します。よって、国内債券の特徴に加えて、為替変動リスクが伴います。
新興国は金利が高い傾向にあるが、リスクも高い場合が多い。為替変動が大きかったり、債券自体の信用度が上げ下げしやすい。財務基盤がぜい弱な場合があり、格付け※も変動しやすい。ex.米国債1%程度、トルコ国債17%台など。
※格付については下記記事をご参照ください。
・外国社債:外国企業が発行する債券。外貨建てとなります。日系企業が発行する外貨建てで発行する債券もあります。トヨタとか三井住友フィナンシャルグループなど。
債券投資の基礎知識 その他
・ゼロクーポン債:満期まで配当金が支払われない債券。
あらかじめ満期までの配当金相当額を引いた金額で売り出し、満期の時に配当金相当額を加算した元金が支払われます。
そのため債券の額面は満期で返金される金額で発行されます。満期時は額面の金額が返金される。
配当相当分を安く買える代わりに、保有中は配当金の支払いはありません。
下記ポイントは、なぜ私が好きかについてです。
・資産の目減りを防ぐ
配当金をもらうと、配当金の約20%が納税で減っていきます。よって、満期でまとめてもらった方が、20%分も複利で回ることになります。
税金との関係は下記記事で、投資信託を例に具体的に計算しています。
・少額投資
多少なりとも少額で投資が可能。額面より少ない金額で投資できます。その差額は他の投資対象を買うことで分散投資ができます。
私の実践例
アメリカ国債の10年物ゼロクーポン債、約(100万円相当)を買ったことがあります。購入価格は60万円台、10年後の満期時は100万円が支払われます。
日本の低金利で考えるのと、普通の国の金利水準で考えると投資の印象が変わります。
別の考え方:普通の国債で毎年配当金をもらい、再投資すると複利で回るので一緒の効果がある。または、別の対象に投資することもできる。
配当金の形で少しずつでも資金を早めに回収してリスクを減らせる。
投資環境は変わるので、仮に10年固定の低い利回りで買うと、その後利回りが上がっても、対応できない。
配当金の再投資分は対応が可能。
⇒個人的にはどちらへの投資も有りと思います。20%の税金分の目減りのはゼロクーポン債が有利かなぁと感じます。10年の間に金利が変動するのは当然ですが、下がるかもしれませんし。
・その他
他にも様々な債券がありますが、私は買ったことがないので、普通の債券とゼロクーポン債の説明に留めておきます。
仕組みが理解できない投資商品(債券の場合も)は買わないことが私の鉄則です。
・仕組みが理解できないとどんなリスクがあり、リスクが高いのかどうかもわからないということです。
・リスク分散になっていません。
・買うなら調べて少なくとも自分なりにどういう商品かを理解し、メリット・デメリットがわかるようになってからですね。
債券投資の基礎知識 債券の特徴
債券投資の基礎知識 債券のリスク
・信用リスク:元本の棄損、配当金の支払い不応や遅延など発行元の財務状態で起こりうる。対策としては購入時に格付会社の格付を参考にしている。その後、もちろん変動する可能性はあります。
・価格(金利)変動リスク:保有期間中に、債券価格が下がる(=金利が上がる)。逆もしかり。市場で取引されているので、市場価格(取引価格、時価額)となり、常に変動する。
なお、満期まで保有すれば、元本は満額返金される(信用不安が現実化しなければ)
・為替変動リスク:外貨建て債券などでは、為替の値動きで円建ての債券価格は変動する。配当金の円建ての支払額も変わる。ただし、円安になれば、為替利益も得られる。
債券投資の基礎知識 債券と株式は逆相関の関係
なぜ逆相関の関係になるか簡単に説明しておきます。
経済を勉強した人には不要で稚拙な私の説明です。私の経済知識は、ちょっと本を読んだ程度ですので。
・投資家目線の場合
景気が良くなると企業業績が良くなり株価が上昇する。
⇒株式の期待利回り(投資した場合の期待できる利益率)が上がると、債券の利回りよりも儲かりそうと思う。
⇒債券を売却して、株式を買う。その結果、株価上昇、債券価格下落、債券利回り上昇。
⇒株式と債券の期待利回りはどこかで均衡する。均衡が破れると、期待利回りは株式より債券の方が高くなる。
⇒債券利回りが高く魅力を感じると株式よりリスクが少ないので、今度は逆転して、債券が買われ、株式が売られる。債券の利回りは下がる。
⇒次のサイクルへ。
※企業目線の場合、お金を借りたい側から資金需要と金利を見るということですが、結果はは同じようなサイクルをたどります。
あくまで原則ですが、株式と債券の値動きが逆であることを理解しておけば良いと思います。
債券投資の基礎知識 外国債券のリスク 特に新興国債
新興国はかなり高い利子をつけているものもあり、魅力的に映ります。
信用リスクが具体化(顕在化)せず、満期に全額返金されれば、保有期間中の累積の配当金で、かなりの利益を得ることができます。
・新興国は経済状況が不安定な傾向にあり、それは信用リスクよりも為替リスクに表れます。
その国の通貨が大きく下落方向に動く時があります。その場合は、円高になり元本が返ってきた時に為替差損が発生します。
・信用不安は格付けを参考にして検討することができても、為替リスクを踏まえた投資を行うことはかなり難易度が高く、特に新興国は難しいです。
債券投資の基礎知識 外国債券と外貨預金との違い
値動きがある、ぺイオフ※適用対象ではないの2点位が私の違いのイメージです。
・利回りが良い:利回りが高い傾向にある。日本が低すぎる。
・期間が異なる:外貨預金は債券に比べて短い期間が多い(数か月から数年とか)。債券は数年から30年程度まで。
・流動性:外貨預金は解約できる。ドルで受け取る分には元本が返金される。
債券は途中換金が可能。但し、市場での売却のため時価額。元本割れや元本を上回ることがあり、価格変動リスクにさらされる。
・信用リスク:発行元次第。預金は銀行にお金を預けるので、その銀行次第。債券は発行元が、USAや新興国、銀行も含め様々な企業もあるため。
ちなみに、ペイオフ※は外貨預金には適用がないので、債券と同じ。
※ペイオフとは、預金を預けている銀行が倒産した場合、1000万円までは預金保険機構が保証する制度です。
・為替リスク:外貨建債券や外貨預金には共にあるので、両者の差異はない。円建債券や円預金だと発生しない。
債券投資の基礎知識 放置する副業の場合
債券投資の基礎知識 放置する副業では
・分散投資が基本。特に外国債券を投資対象に組み入れたい。
・10年満期の債券を購入。長期投資にする。途中売買はしない方針。
・為替リスクを配当収入でリスク分散。また10年もので運用することで為替の値動きがプラスの時期が来ることも期待。
・信用度の高い、先進国が前提。
・ドル建アメリカ国債と、ユーロ建欧州(仏・独・英あたり)国債をポートフォリオに組み入れる。
債券投資の基礎知識 実際にどのようにしていたか
ポートフォリオに組み込みたい外国債券が買えない場合(買えない理由は金利や期間などの条件、額面金額が高いなどいろいろ)、債券の代用として外貨定期預金をポートフォリオに組み入れるようにしていた。
資金が少ない初めの頃は投資信託を活用していた。今ならETFを買うと思います。目安の資産配分との比較では、債券の配分は少なめでした。やはり株式程リターンが高くなく、長期で保有することが多く、機動性にやや欠けるイメージがあったため。
ただ、自己紹介で触れた第2サイクルに入ってからは、資産規模が大きくなったので、直接債券を買い、債券への資産配分は強く意識して行動していた。
債券投資の基礎知識 まとめ
債券の概要と種類を説明してきました。放置する副業での実践的なポイントをまとめておきます。
・分散投資の対象に債券を組み入れる理由は、株式と値動きが異なりリスク分散のため。
・具体的には国内外の国債・社債などをポートフォリに組み入れる。投資信託、ETF、債券の直接購入など。
・外国債券は、日本国内に比べて、配当利回りが高く投資妙味がある。その代わり為替リスクが高い。先進国の10年ものを買いリスク分散。
・信用リスクについては、格付けを参照して購入を検討していた。