不動産投資の仕組み はじめに
初心者の方に不動産投資がどうして儲かるのかの仕組みを、私の自宅の購入例をもとに説明します。
私はそれまで自宅は賃貸派でしたが、不動産投資を初めてから考え方が真逆に変わり、自宅は購入派になりました。
何故なら自宅購入も不動産投資の仕組みを利用すると、利益を生むことを知り、実践している訳です。
不動産への投資は、投資家のノウハウや経験、個人の属性や不動産市場、融資環境、経済情勢などによって、様々な利益を生み出す方法が考えられています。誰もが全く同じことを再現するのは難しいですが、スキームを応用したり、エッセンスを身に着けて新しいスキームを考えることで実践できる方法があると思います。
なお、私のブログのポリシーとして、自分で実践した内容を記載することを原則としています。なお、その後の経験、知識、情報から(あの時は、下手なことをしたなぁ)今ならこうするというものも記載しています(全く実践していない聞いただけの情報は、その旨明記して情報提供するか、記載はしない方針です)
今回は、私が自宅用として投資目線で購入した区分マンションを題材に不動産投資で儲ける仕組みを数字を使って説明します。
今回の記事をご覧いただくと、次の内容を理解できるようになります。
築古区分マンションを使った不動産投資の仕組みの概要が、実際の数字を踏まえて理解できるようになる。
利益を生み出す1つの仕組みを理解できると、追加の知識や経験を得ることで、ますます理解が深まると思います。そうすることで、他の不動産投資のスキームも理解できるようになってくると思います。
また、仕組みを理解すると、リスクも見えてきます。
そうすると、不動産投資の様々な場面でどんなリスクがあり、どう対処するべきかが徐々に分かるようになり、理解がさらに深まります。漠然とした不安は具体的なリスクの認識とその対処法を考える方向に変わります。
仕組みの理解
⇒リスクが見えてくる
⇒対処法を検討・実行
⇒(知識や経験がないことによる)不安の解消につながる
まずは不動産投資の第1歩として、初心者が実践しやすい築古区分マンション投資の仕組みから理解してみてください。
なお、投資用物件でなく自宅を購入例とするのは、自宅を持っている方は少なからずおられると思いますので、諸費用や融資など類似点もあり、より理解しやすいのではないかと思い、採用しています。
また、投資効果が理論上顕著に出ますので、理解が進むと思います。
なお、実際には、様々な要素によってこれほど利益はできませんので、そのことを踏まえた上でお読みください。
不動産投資の仕組み 実際に購入した自宅の基礎情報
私が購入した自宅(築古マンション)をご紹介します。少しぼかしていますが、ほぼリアルな情報で紹介しています。
・購入価格:1,100万円
・融資:1,100万円
100%融資。借入期間35年、金利0.975%
・建物:
区分マンション。築40年程度。50m2程度。世帯数60以上。土地所有権有。
・立地:4路線2駅が利用可能(徒歩10分圏の駅)
最も近い駅まで徒歩3分。大阪メトロ:本町駅(御堂筋線・中央線・四ツ橋線)、同阿波座駅(千日前線・中央線)
・管理費・修繕積立金:各1万円程度
・都市計画税・固定資産税:6万円
※大阪市圏外の方向けに:大阪メトロ御堂筋線は大阪市の大動脈でJRや新幹線そして私鉄に連絡しており、かつ、本町駅はビジネス街の真ん中。同駅から東西南北に大阪メトロが走っており、非常に便利な駅です。
不動産投資の仕組み 現金購入した場合
第1段階としてより簡潔化するために、この物件を自宅ではなく投資用として現金で購入した場合でシミュレートしていきます。
この記事執筆中に、実際に募集掲載のあった私の自宅マンションの賃貸募集情報です。少し数字を変えています。
・同一建物。自宅よりやや狭い物件(45m2程度)
・家賃98,000円、共益費10,000円 ⇒ 合計108,000円/月
・敷金・礼金・保証金等は省略(10万円と20万円位)
(・管理費・修繕積立金:計20,000円)
・単純計算した場合、年間負担額と年間支出額の差は?
(家賃・共益費―▲管理費・修繕積立金)×12月 | ▲都市計画税・固定資産税/年 | 収支 | |
収入 | 108,000×12 | ||
支出 | ▲20,000×12 | ▲60,000 | |
差額 | 1,050,000 | ▲60,000 | 990,000 |
年間で99万円が手元に残る計算です。
よって、極めて単純な計算だと、約22000万円の現金があれば、このマンションを2つ購入し、賃貸に出せば年間約200万円の不労所得を達成することができます。
毎月10万円の不労所得が、既になんとなく見えています。つまり、このブログでは、このあたりを目指すということです。
なお、毎月10万円の不労所得に融資は不要ですが、読みものとして以下お付き合いください。
不動産投資の仕組み 融資を使って購入すると
実際には融資を使って購入していますので、その場合をシミュレートしてみます。なお、実際には、住宅ローンを使って投資用物件は購入できませんので、金利を含めて融資条件は異なります。
融資の条件は下記の通りです。毎月の返済額は約31,000円です(賞与時返済無し)
融資:1100万円(=物件価格)
100%融資。借入期間35年、金利0.975%
これを先ほどの表にあてはめます。
(家賃・共益費―▲管理費・修繕積立金)×12月 | ▲都市計画税・固定資産税/年 | 収支 | |
収入 | 108,000×12 | ||
支出 | ▲20,000×12 | ▲60,000 | |
返済 | ▲31,000×12 | ||
差額 | 684,000 | ▲60,000 | 624,000 |
手元に624,000円が残ります。この金額が年間キャッシュフロー(現金の手残り)です。
※キャッシュフローについては下記記事を参照ください。
元手は全額融資なので、当初投資金額と言えるものは諸費用の100万円程でした。
つまり、100万円の投資で年間60万円超の現金を生み出し、このペースだと2年で当初投資金額は回収した上、以降、稼ぎ続けることができます。
不動産投資の仕組み 融資のもう一つの効果
さて、現金購入と融資による購入の年間キャッシュフローを確認しました。
次は時間軸を10年、20年と長く取り、投資の効果を確認します。
千円 | 借入時 | 10年後 | 15年後 | 20年後 |
残債推移 | 11,000 | 8,229 | 6,740 | 5,176 |
含み資産 | 0 | 2,771 | 4,260 | 5,824 |
実際には、物件の価格が維持できた場合など諸条件がつきますが、儲けの仕組みを理解するため、もっとも単純なこのケースで進めます。(実際の諸条件はこの計算をベースにして、各種肉付けすれば、簡単に計算はできます)
さて、この表のとおり、当然のことながら借金は減り続けます。しかも返済は入居者の家賃で賄えます。そして、前述のとおり家賃は入り続けてキャッシュ(現金)を生み続けます。
儲けの仕組みの2つめは、残債減少による含み益ということです。物件価格が維持できれば、含み益は売却により利益として実現できることになります。
この含み資産は別の見方をすると、物件価格が仮に下がっても、10年経っていれば仮に物件が900万円で売却できた場合でも、諸費用100万円を差し引いて、まだ利益がでます。
不動産投資の仕組み キャッシュフロー&含み益
さて、家賃収入と費用との差額の毎月のキャッシュフロー、そして、年数が経ち残債が減ることによる含み益、この2点が不動産投資の基本的な儲けの仕組みと理解できたと思います。
そして、キャッシュフローと含み益を合わせると大きな利益を生むことがわかります。
先ほどの表にキャッシュフローを追加します。
千円 | 借入時 | 10年後 | 15年後 | 20年後 |
残債推移 | 11,000 | 8,229 | 6,740 | 5,176 |
含み資産 | 0 | 2,771 | 4,260 | 5,824 |
家賃CF累計 | 0 | 6,240 | 9,360 | 12,480 |
合計利益 | 0 | 9,011 | 13,620 | 18,304 |
再度確認しますと、元手は不動産購入時の諸費用の100万円のみです。
つまり当初100万円の元手で、20年後1800万円の利益を得ていることが分かります。
不動産投資の仕組み まとめ
不動産投資の2つの儲けの仕組みを自宅として購入した物件をもとに説明しました。
・現金で購入した場合の年間キャッシュフロー
・融資で購入した場合の年間キャッシュフロー
・融資で購入し、年数が経過した場合の含み益
「不動産投資の仕組み その2 初心者向けに自宅購入例で解説」で、不動産投資の仕組みをさらに展開していきます。
不動産投資の仕組み 疑問や不安 追記
不動産を購入するときに、いろいろな疑問や不安があると思います。例えば、次の2点。
1 古くなると家賃下がるのではないか。
2 古くなると物件価格は下がるのではないか
もちろんそのとおりです。新築の場合は、大きく下がっていきます。しかし、私が買ったような、いわゆる築古物件はそうでもありまん。
築古物件:
・既に古くなり、価格は一旦下がりきっている。
・さらに古くなったから価格が下がることは少ない。
・築古マンションの価格は、不動産市場の需要と供給で決定することが多い。
もちろん楽観視だけせず、下がることも想定して今回の数値を厳しく見てシミュレートした上、購入することが大切です。
・裏付ける情報として、過去の募集家賃や販売価格の掲載履歴がネットで簡単に確認できる。(LIFULL HOME’Sのアーカイブなど)
・築30年から40年の立地の良い物件を1つ決めて、過去の家賃や価格の履歴をチェックすると、必ずしも右肩下がりではないことが容易にわかる。
私の自宅は買って1年も経たないうちに、別の部屋が1500万円で売りに出されていた。私は全額融資で購入したので、その価格で売却できれば、300万円のキャピタルゲインが入ることになる。
物件購入時の費用:100万円(諸費用相当額)
物件売却額:1500万円
融資の返済額:約1000万円
※売却額1500万円-当初諸費用100万円-返済額1100万円=利益300万円
1年で投資資金の3倍の利益を得ることになります。