不動産投資と融資によるレバレッジ効果 はじめに
ご自宅を買われたことがある方は、不動産に融資を利用することは当然に思うと思います。その理由は高額だからだと思います。
しかし、不動産投資においては、それだけではなく、レバレッジ効果を得るために融資を活用します。
これから具体的に、融資を活用するとどのようにレバレッジ効果が発生するかを3つの視点で解説していきます。
3つの視点
インカムゲイン
キャピタルゲイン
返済による含み益
インカムゲインとキャピタルゲインについては下記記事を参照ください。
不動産投資とレバレッジ効果 インカムゲイン
現金で買った場合 インカムゲイン
築古区分マンションの現金購入をシミュレートします。
実際に私が融資を引いて購入したものを現金購入と仮定して解説します。
・初期費用:①自己資金800万円(物件価格750万円+購入諸費用50万円)
・年間家賃収入(インカム)76万円(空室相当分2.2%反映)―年間ランニングコスト(コスト)27万円=②キャッシュフロー49万円
・実質利回り:②/①=49/800×100=6.12%
800万円投資して、49万円が毎年インカムゲインとして帰ってくる。
つまり、利回りは6.12%。
融資を利用して買った場合 インカムゲイン
物件価格の10%と購入諸費用に自己資金を使い、融資を受けて投資した場合。
・初期費用:①自己資金125万円(物件価格750万円×10%+諸費用50万円)
・融資 675万円
・インカム76万円-コストT27万円-返済32.7万円=キャッシュフロー16.3万円②
・実質利回り:②/①=16.3/125×100=13%
比較してわかる インカムゲイン
現金:投資自己資金800万円 キャッシュフロー49万円-① 利回り6.12%
融資:投資自己資金125万円 キャッシュフロー3万円 利回り13%
比較しやすくするため、自己資金の金額を800万円に合わせます。
融資を利用した上で、自己資金800万円を使用して買ったら
:投資自己資金800万円 キャッシュフロー104万円-③ 利回り13%
「①」と「③」を比較するとよくわかります。同じ自己資金の800万円でも現金の場合は、46万円のキャッシュフローであるのに対し、融資を利用した場合は、104万円のキャッシュフローになります。
融資によるてこの原理が働き、自己資金に対するキャッシュフローの割合が非常に高くなります。
インカムゲインにおけるレバレッジ効果です。
不動産投資とレバレッジ効果 キャピタルゲイン
現金で買った場合 キャピタルゲイン
先ほどの例でいくと、物件価格750万円が数年後15%値上がりして、862.5万円になっていたとする。
購入時自己資金800万円、利益28万円(862.5万円-売却諸費用34.5万円-800万円)
800万円の自己資金で28万円のリターンを得たことになる。
融資を利用して買った場合 キャピタルゲイン
購入時自己資金125万円、利益62.5万円(862.5万円-売却諸費用125万円-残債675万円(※) (※)残債は減っていないと仮定。
125万円の自己資金で、62.5万円のリターンを得たことになる。
比較してわかる キャピタルゲイン
現金と融資を比較すると、
現金:購入時自己資金800万円、売却時利益28万円
融資:購入時自己資金125万円、売却時利益62.5万円
比較しやすくするため、自己資金の金額を800万円に合わせます。
自己資金800万円を使って、融資を受けて購入した場合
:自己資金800万円、売却時利益400万円
キャピタルゲインについても、融資を利用してレバレッジ効果が働くと破壊力があります。
不動産投資とレバレッジ効果 返済による含み益
現金で買った場合
先ほどの例で、10年後10%値下がりし、675万円になっていたと仮定すると
自己資金800万円-675万円-売却諸費用27万円=▲98万円
キャピタルロスが発生する。
融資を利用して買った場合
先ほどの例で、10年後残債は503万円になっている。
売却価格675万円-残債503万円-売却諸費用27万円-自己資金125万円=20万円
20万円の売却益を得る。
比較してわかる 含み益
現金:自己資金800万円、キャピタルロス▲98万円
融資:自己資金125万円、売却益20万円
比較しやすくするため、自己資金の金額を800万円に合わせます。
自己資金800万円を使い、融資を利用して購入した場合
自己資金800万円、売却益128万円
残債が減少しているため、仮に物件価格が10%値下がりしても、売却益を得られる。
逆に、現金購入の場合は価格下落をもろに受け、キャピタルロスが必ず発生する。
不動産投資と融資によるレバレッジ効果 まとめ
不動産投資と融資について、3つのメリットがある。
レバレッジ効果が働いている場合は、いずれも現金で購入するよりも融資を利用した方が投資した自己資金に対するリターンが大きくなります。
また、購入から売却までの年数が経てば経つ程、返済による含み益が増えることになり、売却時に仮に値下がりしていても、利益が出やすくなります。
現金購入だと、値下り=損失となります。それに、購入時も売却時も諸費用が掛かるため、仮に値下がりしなかったとしても諸費用分はマイナスとなります。
これらを回避するためにも、融資を利用して購入することがより投資の安全性を高めます。当然ながら、レバレッジ効果が期待できるような収支計算ができることが重要です。
インカムゲインのレバレッジ
キャピタルゲインのレバレッジ
返済による含み益のレバレッジ
不動産投資と融資によるレバレッジ効果 補足
現金購入
物件価格が値下がりすると、必ずキャピタルロスが発生するので、値下がりする可能性が低い物件、または、仮に値下がりしても値下がり幅が少ない物件を選定する必要がある。
さらに、所有している間のインカムゲインでその損失を超える利益を確保する必要がある。
その利益の確保に何年かかるか、結果的に、年あたりの自己資金に対するリターンは何%かなどを事前にシミュレーションして購入する必要がある。
融資を利用しての購入 レバレッジ・マイナス効果
残債の経年減少を見て、10年後、15年後ならば、利益を確保できるのかを、物件価格や家賃の下落等を見据えて購入することが大切。
融資の場合は上述の通り現金購入よりも値下がり損失をカバーできる要素もあります。
レバレッジ効果によりインカムゲインの利回りも高いので、累積のインカムゲインを合算すると、仮にキャピタルロスが出てもトータルで利益を確保できやすい。
同時に、融資はプラスだけでなく、マイナスにもレバレッジ効果が働きます。マイナス効果に働いたときは、現金購入よりもより大きな損失を被ることになります。
そのため物件の鑑識眼やスキルを身に付けることが重要です。
融資を利用しての購入 事前に融資条件を把握
普通の購入の流れは、下記の流れです。
購入したい物件発見 ⇒ 購入申込 ⇒ 契約書+手付金 ⇒ 融資申込 ⇒ 決済
しかし、融資の審査が通るとは限りません。そうすると売り手からすると、他にも購入希望者が多数いるのに、何か月も待った上、融資が通らないと白紙に戻る可能性があります。
そこで、下記の流れで先に、どういう物件(例えば区分マンション)なら、どういう条件(返済期間や金利など)で、融資が承認されそうかの見込みをたてておきます。
具体的には、金融機関に事前に融資の審査をお願いしておきます。そうすると、その融資条件の範囲となる物件を購入すると、融資が通る可能性が高いため、関係者は優先して物件を紹介してくれるようになります。
下記の流れで物件を私は購入しています。
融資の事前審査 ⇒ 購入したい物件発見 ⇒ 購入申込 ⇒ 契約書+手付金 ⇒ 融資申込 ⇒ 決済
当たり前ですが、初めから10億の物件は買えません。ではいくらなら買えるのかを知る必要があります。
半年ごとに見直される金融機関ごとの融資方針や、自分の属性によって、融資の条件は全く異なります。
つまり、人によって、金融機関によって融資条件は異なるので、まずは自分(=自分が借りることができる金額など融資条件)を知ることから不動産投資は始まります。
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