不動産投資、物件購入までの流れ はじめに
ここでは日々の物件探しを継続した結果、これはっ!という物件を発見し、購入したいと思った時、実際の物件購入までの流れを説明します。
下記のような流れで進んで行きます。
0ネットで物件発見(例)
1物件を掲載している不動産会社に問い合わせ
2物件を見に行く 内見
3買付証明書の提出
4売買契約
5金銭消費貸借契約
6決済
7所有権移転登記
上記「1」から順にチェックしていきます。
不動産投資、物件購入までの流れ 1不動産会社に問い合わせ
ネットに掲載されている物件でしたら、そのサイトに問い合わせ先の記載があるはずです。メールで良いので、詳細資料の請求をします。
メールで詳細資料の請求
入手した詳細資料をチェックしたり、googleマップやwebでその物件の情報を収集していきます。
瑕疵あり物件か、事故物件か、周囲の状況はどうかなど、いろいろと調べたり、今後確認するべき点を整理しておきます。
可能なら想定される家賃を決めて収支が合う物件か、逆にいくらで買えれば儲かる物件となるのか、周辺相場(周囲の同様の物件の価格)との開きはないか、極端に安くないかなどをチェックしていきます。
不動産投資、物件購入までの流れ 2内見(物件を見に行く)
上記1の資料をチェックして、調査などの結果、興味がまだあるようでしたら、資料請求した不動産会社に連絡を入れ、実際に物件(部屋の中を含む)を見に行きます。
物件の部屋の中もチェックすることから「内見」といいます。
この内見のときは、せっかくなので、都心部でしたら電車で現地に行き、最寄り駅(メインとなる駅)におりて、駅周辺の状況や、物件までの道すがらの雰囲気を見ていきます。
商店街があるのか、コンビニがあるのか、民家しかないのか、街路灯はどの程度あるのかなど、実際にその物件に住む方の立場で、街そのものの雰囲気を確認します。
そして、物件の周囲の環境(墓地、スナックなども含めた風俗店、パチンコ、競艇など)、物件そのもの状況(1階に焼肉店などはないか、高速道路・鉄道との距離感など)、内装の状況(リフォームの必要性やどの程度かかるかなど)などをチェックしていきます。
詳細は別の記事で具体的に説明します。
不動産会社の方も同行してくださいますので、いろいろと質問をするのが良いと思います。
不動産投資、物件購入までの流れ 3買付証明書の提出
内見や調査の結果、これは買いだと判断したら、次は買付を入れます。具体的には買付証明書を提出します。
買付証明書の提出:この物件を〇〇で買いたいという趣旨の内容です。
法的には拘束力はありませんが、買付を入れてから売主と話が付いたのに、キャンセルすると関係者との信頼関係が損なわれ、今後良い物件情報が回ることはありません。
買付を入れる行為は、基本的にその条件で買うという内容で、かつ、実際購入するつもりで行うものです。
話を戻すと、購入希望額を検討した上で、買付証明書を提出します。
他の購入希望者と、売主との駆け引きを踏まえつつ、価格を設定することも重要です。
早めに出すことが望ましいですが、買付順位第1位が望ましい。
しかし、必ずしも買付順(買付証明書の提出順)とは限らないので、掲載期間が長めでも諦めないことが重要です。
というか、買主側では状況は見えないため、買付順はわかりません。
普通は買付順に交渉権があるという認識で良いと思います。
第1順位を獲得し、売主と買主の条件が整い、売買に進むことになります。
不動産投資、物件購入までの流れ 4売買契約
さて、条件が整うと、不動産の売買契約を結びます。
不動産仲介会社が間に入っていますので、手続きは自然と流れて行きますので、基本的に任せておけば良いと思います。
そして、不動産仲介会社の宅建士の方から重要事項の説明を受けます。不明な点は積極的に質問するべきです。私は勉強もかねて、毎回新しい質問をしています。
そして、不動産の売買契約を結びます。契約段階では、売主と合うことはほとんどありません。
私は売買を5度経験していますが、1度だけです。その1度も売主と一緒に結ぶ必要もなかったように思います。
この契約段階で手付金を支払います。今まで一番高額だったのは300万円台だったと思います。物件価格の5%~20%位です。
売買契約において特に注意する必要があるのが、契約内容に通称「融資特約」をつけておくことです。
契約書でかならずチェックしておくべき項目です。
融資特約:仮に銀行の審査の結果、融資が受けられなかった場合、契約を締結後でも契約自体が全て白紙になるという特約です。
融資特約があると、融資が下りなかった場合は、購入する義務は発生せず、手付金も全額戻ってきます。ペナルティ無しです。
融資特約がない場合、または、それ以外の理由で契約を解除する場合は、手付金は放棄することが通常契約書に書かれています。
また逆に、売主が契約解除した場合は、手付金を買主に返してもらった上で、さらに同額を売主から買主に支払うことが通常契約書に書かれています。
お互い契約を履行しないとペナルティがあるということです。
買付証明書は法的拘束力を持ちませんが、売買契約書は拘束力を持ちますので、慎重に行う必要があります。
不動産投資、物件購入前の流れ 5金銭消費貸借契約
不動産の売買契約を結んだら、今度は銀行と融資の契約を結びます。
金銭消費貸借契約:売買契約を結び、借入金、金利、借入期間などの条件を記載した融資契約を結びます。
この金銭消費貸借契約を結ぶ前に、不動産の買主の属性(勤め先や収入、支払い能力、家族構成など)の情報を提供して、融資の可否について銀行の審査を受けます。
この時、融資が受けれないという場合もあります。ちなみに、その理由は教えてくれません。
また、地主さんなど大金持ちの方は有利な条件(例えば破格の金利など)で融資を受けることができますし、そうでない方は金利が高かったりします。
人(属性)によって、融資条件は異なるということです。
カードローンなどは融資の残債とみなされるので、カードローンで既に〇〇万円の融資をうけていると判断され、その銀行がしてくれる融資の枠はカードローンが無い人より小さくなっています。
そうすると、金利は予想以上に高め、物件価格全額の融資でなく、80%になったりとか、経済状況にもよりますが、いろいろと条件が付けられることもあります。
融資の条件が提示され、よければ、融資の契約である金銭消費貸借契約を銀行と結び、次は決済です。
不動産投資、物件購入までの流れ 6決済
売買契約書を交わした後、一定期間後、融資の審査や融資契約(金銭消費貸借契約)などの期間も踏まえ、だいだい2か月後位に手付金を差し引いた残りのお金の精算をします。
ちなみに、現金で購入する場合だと契約と同時にお金の精算をすることもあったり、1ヶ月後位の時もあったりと融資を利用する場合よりも短い期間が多いようです。
この残額の精算を決済と呼びます。
決済の時は、通常、売主、買主、それぞれの不動産仲介会社、司法書士、融資をする銀行などが一同に集まり、その場でお金の精算が行われます。
物件の精算だけでなく、司法書士への手数料、不動産仲介会社への仲介手数料など、各種生産を全て行います。
よくあるのは銀行内の場所をお借りして、そこで、振込(一部は現金の場合もあります)で清算します。
決済の遅延※は違約金が発生する場合があったり、契約の放棄は手付金放棄など、ペナルティもありますので、誠意をもった対応が大切です。
※通常契約書に売買契約書にいつまでに決済をする旨の記載があります。
ちなみに不動産会社にお聞きした話だと、この決済の場に一同集まった時に、売主と買主の馬が合わず、喧嘩腰になり、お前には売らないと言って、決済が流れたことがあると聞いたことがあります。
不動産の売主も買主もお金持ちも多いので、手付金の数百万円など消し飛んでもダメージがないので、庶民の常識にとらわれないことが無難です。
それにしてもそんなことになったら、やっともうすぐ不動産オーナーだと胸を膨らませているのに、がっくりしますね。
良い物件は簡単には見つからないので、それまでの苦労が水の泡です。次はいつ買うチャンが巡ってくるのだろうか…。
最後は人間同士なので、礼儀正しい対応を心掛けたいものです。
不動産投資、物件購入までの流れ 7所有権移転登記
契約、そして決裁時点で、名実ともに不動産のオーナーになっています。
最後に不動産登記簿に所有権移転の登記をして終了です。
これは決済の時に、司法書士が同席して、書類などで所有権移転が問題なく行われたことを確認して登記の手続きをしてくれています。
現実には、登記が完了し、登記簿謄本が送られてきて内容をチェックし、終了となります。
(参考)不動産登記簿について
不動産は高額な取引となるため、トラブルがないように法的に登記制度が取られています。
つまり、特定の不動産の詳細情報を入手できるようになっています。
不動産の所在、構造、m2、築年数、所有者の遍歴、債権・債務の状況などなど、様々な情報をいつでも誰でも見ることができるようになっています。
また、不動産取引に際しては、法律上登記されている内容が正しいという前提に立ちます。
例えば、登記簿上の所有者と、譲渡契約書を持つ所有者が異なる場合、裁判では登記簿上の所有者が真の所有者とみなされます。
よって、必ず登記簿で所有者や不動産を確認し、正当な所有者と契約を交わし、決裁をする必要があります。
契約書を交わしてお金払っても売主が登記簿上の所有者でなければ、不動産の所有者にはなれません。悪意がある売主であれば、当然、お金も持ち逃げされているはずです。
不動産投資、物件購入までの流れ まとめ
おさらいです。物件を見つけたら、次のような流れで、物件を購入します。
そして、ついに不動産投資家としてデビューします!
1物件の問い合わせ:不動産会社に資料請求の連絡を入れる。もちろん買いたい旨の連絡でも結構です。
2内見:物件の建物や内装など、また、その周囲の環境をチェックしに行きます。
3買付証明書を提出:買付金額を検討の上、購入希望金額を書いて提出します。合意に至れば契約に移ります。
4売買契約:重要事項、融資特約などをチェック。法的拘束力を持つので、しっかりと納得して、また契約内容が正しいかチェックが必要です。
手付金を支払います。物件価格の5%から20%位です。
5金銭消費貸借契約:融資を利用する場合、銀行と融資をうけるための金銭消費貸借契約を行います。融資に係る手数料などの精算も済ませます。
6決済:契約上の支払うべき金額から手付金を引いた残額を支払います。購入諸費用も清算します。
7所有権移転登記:司法書士に依頼した所有権移転登記が完了。登記簿謄本が送られてきて、ついに不動産オーナーとなります。
このような流れになります。
初めてですと、流れが分からないといろいろと不安になると思いますので、参考にになれば幸いです。
晴れて投資用不動産のオーナーになったあとは、実際の物件の管理・運営をしていくことになります。管理・運営に関連する下記記事も参照ください。